WebP 形式とは — 非可逆・可逆・透過・アニメーションをひとつに
WebP 形式の構造(VP8 の非可逆・可逆モードと RIFF)、2024年の RFC 9649 標準化、JPG・PNG との容量比較、ブラウザ・Android の対応状況(2026年)と変換時の注意点を解説します。
WebP は、Google が2010年に Web 画像の容量を減らす目的で公開した形式です。RIFF コンテナの中に、動画コーデック VP8 をベースにした 非可逆モード と、別途設計された 可逆モード を収め、どちらのモードも透過とアニメーションに対応しています。公開から14年たった2024年11月、IETF が RFC 9649 として仕様とメディアタイプ image/webp を正式に登録しました。
容量 — Google の発表値
Google の開発者向けドキュメントによると、非可逆 WebP は同じ SSIM 画質指標で JPG より 25〜34% 小さく、可逆 WebP は PNG より 26% 小さく なります。透過が必要な場合、非可逆 WebP は PNG の約 3 分の 1 のファイルを作れるとしています。これは Google の検証結果なので、実際の削減幅は画像やエンコーダーの設定によって変わります。
ブラウザ・OS の対応状況(2026-09-23 時点)
Can I use のデータでは、世界のブラウザ利用者の約 96% が WebP を表示できます。
| ブラウザ | 完全対応の開始 |
|---|---|
| Chrome | 32 |
| Edge | 18 |
| Firefox | 65 |
| Safari(macOS) | 14(Big Sur 以降)、16 から OS の制限なし |
| Safari(iOS) | 14 |
Windows 10・11 のフォトアプリや macOS のプレビューは WebP を開けますが、古い画像編集ソフトや一部の文書ソフト、役所のアップロード欄では WebP を受け付けないことがよくあります。
ファイル構造
WebP ファイルは RIFF ヘッダーとファイルサイズ、そして WEBP という識別子で始まります。その後に画像の種類に応じてチャンクが続きます。
VP8— 非可逆圧縮の画像データVP8L— 可逆圧縮の画像データVP8X— 拡張機能(透過・アニメーション・メタデータ)があることを示すALPH— 非可逆画像の透過チャンネルANIM・ANMF— アニメーションの設定と各フレームICCP・EXIF・XMP— カラープロファイルとメタデータ
Android の対応
Android の開発者向けドキュメントによると、WebP の基本的なデコード・エンコードは Android 4.0 から、透過と可逆のデコードは 4.2.1 から対応しており、可逆エンコードは Android 10 から可能です。
長所と限界
- ひとつの形式で写真(非可逆)とグラフィック(可逆)、透過背景、動く画像をすべて扱えます。
- 非可逆モードは色差を常に半分の解像度(4:2:0)で保存するため、赤い文字のような細いカラーの線がにじむことがあります。こうした画像には可逆モードが向いています。
- 最大サイズが一辺 16,383 ピクセルなので、超大型のパノラマは収められません。
- 8 ビットのみ対応のため、HDR 写真には AVIF が適しています。
主な用途
Web サイト・ブログの画像、透過背景が必要な Web グラフィック、GIF の代わりに使う短いアニメーション。
WebP に変換するとよい場合とそうでない場合
| 状況 | おすすめ |
|---|---|
| ブログ・ネットショップの商品ページの写真 | WebP 推奨 — 転送量が減る |
| 透過背景の Web グラフィック | WebP 推奨 — PNG より小さい |
| 役所・学校への提出、印刷所への入稿 | JPG・PNG のまま |
| メッセンジャー・メールで送る写真 | JPG のまま — 受け取り側のソフトとの互換性 |
| 今後も編集を続ける元データ | PNG または元の形式のまま |
他の形式に変換するとき
- WebP → JPG:文書やアップロード欄との互換性のために最もよく行われる変換です。透明な部分は背景色で埋められます(WebP を JPG に)。
- アニメーション WebP → 静止画:ほとんどの変換ツールは最初のフレームだけを保存します。
- JPG → WebP:元の JPG の劣化にさらに劣化が加わるので、画質は 75〜85 程度にしておくのが無難です(JPG を WebP に)。
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