解像度・DPI・cm・ピクセルの関係 — 「300dpiで3×4cmは何ピクセル?」換算表
ピクセル・DPI・cmの換算式と、印刷と画面で解像度の働きが違う理由を解説。証明写真・写真プリント・A4のピクセル換算表、スマホ写真の最大印刷サイズ、Web画像の適切なサイズもまとめました。
「300dpiで3×4cmの写真を用意してください」「解像度72dpiは印刷には足りません」といった案内をよく見かけますが、ピクセルとDPIの関係を正しく理解していれば、ほとんどの規格の問題は一度の計算で解決できます。この記事では概念を整理し、すぐに使える換算表を紹介します。
3つの単位
- ピクセル(px):デジタル画像を構成する点の数です。4032×3024の写真は、横4,032個、縦3,024個の点でできています。ファイルが実際に持っている情報量はピクセル数で決まります。
- cm・インチ:紙に印刷したときの物理的な大きさです。1インチはちょうど2.54cmです。
- DPI / PPI:1インチの中にいくつの点(dot)・ピクセル(pixel)を並べるかを表します。厳密にはPPIは画像のピクセル密度、DPIはプリンターが打つインクの点の密度ですが、写真の規格の案内では両者を同じ意味で使っています。
基本の公式
ピクセル = cm ÷ 2.54 × dpi · cm = ピクセル ÷ dpi × 2.54
たとえば3×4cmを300dpiで換算すると、横は3 ÷ 2.54 × 300 ≈ 354、縦は4 ÷ 2.54 × 300 ≈ 472で、354×472ピクセルになります。小数点以下は四捨五入するのが一般的ですが、機関によっては切り捨てた値を使うこともあります(例:3.5cm × 100dpi = 137.8 → 韓国国家公務員試験の願書は137ピクセル)。
逆に、4032×3024ピクセルの写真を300dpiで印刷すると、4032 ÷ 300 × 2.54 ≈ 34.1cm、3024 ÷ 300 × 2.54 ≈ 25.6cmのサイズまで鮮明に印刷できるということです。
サイズ別ピクセル換算表
| プリントサイズ | 用途 | 150dpi | 300dpi | 600dpi |
|---|---|---|---|---|
| 2.5×3.5cm | 証明写真 | 148×207 | 295×413 | 591×827 |
| 3×4cm | 半名刺 | 177×236 | 354×472 | 709×945 |
| 3.5×4.5cm | 旅券・身分証 | 207×266 | 413×531 | 827×1063 |
| 5.08×5.08cm(2×2インチ) | 米国パスポート・ビザ | 300×300 | 600×600 | 1200×1200 |
| 10.2×15.2cm(4×6インチ) | 一般的な写真プリント | 600×900 | 1200×1800 | 2400×3600 |
| 21×29.7cm | A4 | 1240×1754 | 2480×3508 | 4961×7016 |
旅券写真の3.5×4.5cmを300dpiで換算した413×531ピクセルは、韓国外交部がオンライン旅券申請で推奨するサイズとぴったり同じです。韓国外交部はプリント写真にも300DPIを推奨しています。
印刷と画面では働き方が違う
印刷:DPIがサイズを決める
プリンターは、ファイルに記録されたDPI値(または印刷ダイアログで指定したサイズ)を見て、ピクセルを紙の上に並べます。同じ1200×1800ピクセルでも、300dpiで印刷すれば4×6インチ、150dpiで印刷すれば8×12インチになります。大きく印刷するほどピクセル1つが大きくなり、粗くなります。
一般的な目安は次のとおりです。
- 300dpi:近くで見る写真プリント、証明写真、印刷物の標準
- 150〜200dpi:少し離れて見るポスター、社内文書
- 100dpi以下:遠くから見る横断幕・大判出力
画面:ピクセル数だけが重要
画面では、ファイルのDPI値は無視され、ピクセル数だけが意味を持ちます。WebページのCSSでは1inが96pxと定義されていますが(W3C CSS Values)、これは画面表示用の約束にすぎず、モニター上の実際の1インチとは一致しません。モニターのサイズ・解像度・拡大率の設定によって、同じ画像でも見え方が変わります。
そのため、「72dpiの画像はWeb用」という話は半分だけ正しいといえます。Webでは72dpiでも300dpiでも、ピクセル数が同じなら同じように見えます。
自分の写真は何cmまで鮮明に印刷できるか
ピクセル数をdpiで割って2.54を掛けると、最大の印刷サイズがわかります。
| 画像サイズ(px) | 代表例 | 300dpiで印刷 | 200dpiで印刷 |
|---|---|---|---|
| 1080×1350 | Instagramの縦長投稿 | 約9.1×11.4cm | 約13.7×17.1cm |
| 1920×1080 | フルHDの画面キャプチャ | 約16.3×9.1cm | 約24.4×13.7cm |
| 4032×3024 | 1200万画素のスマートフォン | 約34.1×25.6cm | 約51.2×38.4cm |
| 8064×6048 | 4800万画素のスマートフォン | 約68.3×51.2cm | 約102.4×76.8cm |
SNSからダウンロードした写真はすでに1080ピクセル前後に縮小されているため、アルバムや額装用に大きく印刷したい場合は、元のファイルを探して使うのがおすすめです。
拡大(アップスケール)は解決策ではない
ピクセルが足りない写真を引き伸ばすと、ソフトが周囲のピクセルから中間の値を計算して埋めるため、境界がぼやけます。AIアップスケールは細部を「それらしく」作り出して加えますが、もともとなかった情報を推測したものなので、証明写真のように元画像のままであることが重要な用途には適しません。韓国の旅券写真の規定も、編集・AI合成した写真を認めていません。必要なサイズより大きな元画像から始めることが、唯一確実な方法です。
DPI値だけを変えることの意味
写真編集ソフトで「解像度」を72から300に変えるとき、リサンプル(ピクセルの再計算)のオプションをオフにすると、ピクセル数はそのままで印刷サイズだけが小さくなります。画質はまったく変わりません。リサンプルをオンにするとピクセルを新たに作り出しますが、ない情報を推測して埋めるだけなので鮮明にはならず、ファイルが大きくなるだけです。
JPG・PNG・BMPファイルには、DPI値を保存する場所があります(BMPヘッダーの解像度フィールドなど)。WebツールでCanvasを使って保存し直したファイルは、この値が既定値に変わったり消えたりすることがありますが、ピクセル数が合っていればオンライン提出には問題ありません。印刷所に渡すファイルなら、印刷サイズをピクセル基準で計算して伝えるほうが確実です。
画面のピクセル密度とWeb画像のサイズ
最近のスマートフォンやノートPCの画面は、CSSピクセル1つを物理ピクセル2〜3個で描く高密度(Retina)方式です。そのため、Webページで横400pxの領域に表示する画像をちょうど400ピクセルで作ると、高密度の画面では少しぼやけて見え、800ピクセル程度で用意すれば鮮明に見えます。反対に4000ピクセルの元画像をそのまま載せると、画面上の違いはないのに転送量だけが大きくなります。Web用の画像は、表示サイズの約2倍を目安に用意するのが一般的です。
規格が与えられたときの手順
- 規格にピクセルが書かれていれば、そのピクセルが優先です。cmとdpiは参考程度に見ます。
- cmとdpiだけなら、上の公式でピクセルを計算します。
- 比率(横:縦)を先に合わせて切り抜きで切り取ってから、計算したピクセルに縮小します。比率が違うままサイズだけ合わせると、顔が伸びたりつぶれたりします。
- 容量(KB)の制限があれば、画像圧縮で合わせます。願書・身分証の規格は証明写真の規格まとめにまとめています。
よくある質問
ファイルのDPI値を72から300に変えれば画質は良くなりますか?
ピクセル数が同じなら画質は変わりません。DPI値は「印刷するときに1インチに何ピクセルを並べるか」というメモにすぎず、値を変えると印刷サイズが小さくなるだけです。より鮮明に印刷したい場合は、最初からより多くのピクセルで撮影する必要があります。
アップロードの規格にDPIだけが書かれていてピクセルがない場合はどうすればいいですか?
cmのサイズも書かれていれば、cm ÷ 2.54 × dpiでピクセルを計算すれば大丈夫です。オンライン提出は、結局のところピクセルサイズと容量で判定されることがほとんどです。
モニターで100%のサイズで表示すれば、印刷サイズと同じになりますか?
たいていは異なります。画面はピクセルをモニターの物理的なピクセル密度と拡大率の設定に合わせて表示するため、同じファイルでもモニターごとに見える実際の大きさが違います。